VRイベントとは?イベントにVRを導入するメリットや開催事例を紹介
VR元年ともいわれる2016年から、急速に発達したVRは今や日常的にさまざまな場所で使われるようになりました。ゲームや映像作品で使われるのはもちろん、会社の展示会や中高生の修学旅行などにも使われています。今回は、そんなVRを使ったイベントについて詳しく掘り下げて行きます。
VRイベントとは
まずVRとは「VirtualReality」の頭文字を取ったもので直訳すると仮想現実という意味です。VRではVRヘッドセットを使って作りこまれた世界に入り込めるのが特徴で、あたかも目の前に人やモノが存在しているかのような疑似体験ができます。
VRイベントではこのVRを使って、オンライン上で完結するお祭りやコンサート、展示会などを開催しています。次の「VRをイベントに導入するメリット」で、VRをイベントに導入するメリットを見ていきましょう。
VRをイベントに導入するメリット
VRでイベントを行うメリットを紹介します。
場所を確保しなくてよい
VRイベントのメリットとしてまずあげられるのが、場所を確保しなくてよいという点です。VRを使用しない展示会ではブースを用意し、日程と時間を指定して場所を確保する必要があります。また天気の影響を受けるため、にわか雨や突然の台風などでは中止になることもあるでしょう。
しかしVRを利用した展示会であれば、ブースを借りる必要もなく、天候によって予定を変更することもありません。これにより物理的な展示会スペースの費用や、印刷費、人件費が減るため予算の削減につながります。
また場所を確保しないことで、日本はもちろん、世界中どこからでも参加できることもVR展示会のメリット。「今ちょうど海外に来ていて…」「地方だから東京にはいけない…」なんて方でも家からイベントに直接接続し、参加できます。
人数制限がない
会場で行うイベントでは会場の席に限りがあるため、チケットを用意し来場者数を制限しますよね。しかしVRイベントでは人数制限がないため、誰でも参加できます。イベントで人数が集まれば集まるほど収益も多くなりますから、企業側からすれば大きなメリットといえるでしょう。
片付けや撤収作業×=費用削減
イベントや展示会で大変なのは、後片付けです。ペットボトルのポイ捨てや食べカスなどの飲食物のゴミから、配置した椅子の片付け、ブーステントの撤収作業などさまざまな作業に人と費用がかかります。
対してVRイベントでは会場が物理的に汚れることがないので片付けは必要ありません。接続を切るだけでよいのです。片付けがないだけで、業者を手配する費用や、アルバイトを雇用する人件費を削減できるでしょう。
顧客のデータが得られる
VRイベントはオンラインで開催するため、参加者のデータ収集が容易です。申込の際に性別や年齢、住所、参加した目的などを打ち込むフォームを用意しておけば、どのような方がどのような理由で参加してくれたのかが分かります。また展示会を開催した場合には
・来場者がどのブースに集まっているのか
・滞在した時間はどのくらいか
・個人が見たコンテンツの種類はどんなものか
・離脱が早かったコンテンツは何か
などの情報も自動で収集できるため、今後の経営戦略やマーケティングプランの指針に活用できます。
VRを導入したイベント例
次にイベントの具体例をみていきましょう。
不動産から「VR内見」
VR内見は不動産会社が主催しているVRイベントです。物件を内見する場合は、展覧会に行くか、実際に立っている物件に足を運ばなければなりませんが、VRを利用することで、現実に近い物件を日本のどこからでも内見できます。
最近のお客さんは商品の「お試し」や「体験」などを行うと購買意識が高まるといわれているため、多くのお客さんが内見できるVR内見は、理にかなったサービスといえるでしょう。
旅行業界から「バーチャル修学旅行360」
バーチャル修学旅行はコロナで修学旅行ができない学生たちのために実施されたサービスです。学校に居ながら修学旅行で訪れられる地としては「京都・奈良」「日光」「沖縄」などがあります。VRで行う修学旅行では、生徒一人一人にスマートフォンを配布し、簡易ゴーグルを利用して本場の臨場感が味わえます。
またオンライン上で会うはずだった方々と交流をしたり、教室で本物の清水焼や扇子、友禅染などの伝統工芸体験も実施したりして、実際の修学旅行と遜色ないよう取り組んでいます。
自動車業界から「UNIVERSEバーチャルショールーム」
2019年に業界初VR空間を用いて中古車販売を行ったサービスになります。このサービスはVR技術を駆使して中古車の状態やボディのカラー、形状、雰囲気などを360°いろいろな角度から視認できるサービスです。
色合いや雰囲気などは画像と実物の差異が大きくお客さんの満足度につながらないケースが少なくありません。VRで実物に近いものを見られることによって、購入した後の顧客満足度が上昇することが期待されています。
まとめ
今回はゲームや映像作品に限らず、VRの応用例について紹介しました。VRイベントには場所や時間に左右されない自由さと、データを自動で収集できる利便さが備わっています。また会場の片付けがなく人件費が抑えられるほか、人数制限がないため、いくらでも顧客を呼び込むことができます。
今回はVRイベントのメリットのみを紹介しましたが、VRイベントを開催する際はメリットだけでなくデメリットも把握した上で開催するようにしてください。